新選組三部作 新選組遺聞 (中公文庫)



新選組三部作 新選組遺聞 (中公文庫)
新選組三部作 新選組遺聞 (中公文庫)

ジャンル:歴史,日本史,西洋史,世界史
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才子・伊東甲子太郎の和歌が読める

子母澤寛が当時を知る翁達に聞いた遺文集なので、全体的なまとまりのある書では無いが事実という事もあり面白い。だが新選組に興味があるか少しでも知っていないとあまり楽しめないかもしれない。個人的には近藤や土方や生き残った斉藤一や永倉新八など後のメディアで何度も取上げられる様な人よりも殺された清河八郎や伊東甲子太郎(どちらも土方一派の暗殺みたいだけど、二人とも剣の達人であったとは言え何か殺し方が卑怯なのです)などの死ぬには早すぎた惜しむべき才子に肩入れしたい偏向があるので、その伊東甲子太郎兄弟の記述が多い所が気に入りました。またこの中には伊藤甲子太郎が残した和歌が12ページにも渡って収録されている。他の見所は佐久間象山の息子の話や原田左之助の話、近藤の最後と遺族の動向も詳しい。芹沢鴨暗殺を側で立ち会うはめになったその借家の女房の話も生生しい。また、土方と並ぶ実力者だった副長・山南敬助の切腹前の山南に惚れていた島原の女・明里の涙や病で療養中の沖田総司を見舞う姉や兄の兄姉団欒が微笑ましく、また沖田を置いて旅立つ日に訪れた近藤の涙、沖田の涙などにはホロリとさせられる。また近藤の剣「虎徹」に関する記述も面白いですよ(斉藤一が夜店で買ってきたのをもらった説とか)。
リアルさがワクワクさせる。

「八木為三郎老人の壬生ばなし」という段落で、昭和3年11月15日に子母澤寛が八木家の跡取りの八木為三郎氏に思い出話を聞いた話がかなりの頁割かれている。ワクワクしてしまう。それぞれの人物の人となりが思い出として語られているのが不思議な気がする。新選組ワールドの摩訶不思議な魅力は、かなりの遺物が残っていることと関係者が明治になっても生き残り思い出を語っていることから、断片的なジグソウパズルを自分で組み立てているような気になる点ではないかと思う。話は脱線するが、この間、八木家に久しぶりに行った。通るだけでドキドキする。不思議な雰囲気の場所である。(関係ないけれど、饅頭と抹茶を無理強いするのはやめて欲しい)
興味深い

実際に新選組を目の当たりにした者にしか分からない描写が、ここにはある。芹沢鴨の暗殺当夜の様子、その後の処理。池田屋事件、そして近藤勇の最期。墓から遺体を掘り出し故郷へ運ぶさまは、悲壮感が漂う。つかの間の華やかさ。それと対照的な末路。これがわずか百数十年前の出来事なのだ。残された家族などのその後も興味深かった。どんな境遇になっても、家族は決して新選組のことを忘れることはなかったと思う。家族としての悲劇が、そこにはあったのではないだろうか。
素顔の新撰組に近づくために

小説とは違った、新選組隊士の素顔に迫れます。
私のお勧めは、象山の忰です。
といっても、象山の息子に興味があったのではなく、「土方と沖田が2人で碁をうっていた」というところから、
鬼と恐れられた彼等も非番の時には、仲良く遊んでたのだな、とか

「”鈍いのが本当じゃねぇか。何だ。何だ。そのざまは。”と沖田が大口をあいて笑った」などというくだりを読むと、
彼らがどんな言葉遣いで、どんな会話をしていたのかなどが想像できるからです。本当にいつも笑っていたのね。沖田さん。
勇の屍を掘る

 当事者に聞いて書き留めたものなので、
静かな迫力があります。
 私には、「勇の屍を掘る」が印象的でした。
 映画やドラマではとりあげられない場面ですが
肉親達の愛情に涙しました。
 小説とはちがう、淡々とした描写が
「事実はこうだったのか」と思わせます。



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